成田屋 かまわぬ! |
娘のぼたんさんは 日本舞踊市川流の家元でご自分もまた芸事の道を歩まれています。それだけに父との時間、父の思いを表現したいという気持ちは人一倍にお持ちなのでしょう。だからこの番組も成立したのではないかと思います。それと若さです。自分の内面からほとばしるものが最良の表現で人の気持ちを動かさないわけにはいきません。
團十郎さんが「役者は 意地と張りが命だ」といって家族の反対を押し切りパリでの公演を実現させたクダリは胸をつかれました。正月を過ぎてからのビデオにはすでにむくみがひどくなった手が写され重なる娘さんの手が痛々しく見ていられなくなりました。が あとからその手を思い出すと團十郎さんの弁慶が飛び六法で花道を引き下がるシーンと重なります。あの弁慶の姿は団十郎さんでなければなりません。享年67歳 死の床にあっても生きる思いに貫かれていたのだと思いました。ベッドサイドの点滴チューブが外されるタイミングは難しいです。手厚い医療の悪戦苦闘の戦場だったことが想像されます。こころ静かに死を迎え ひっそりととも思いますが荒々しく猛々しく死に向かう後ろ姿を家族や観客に見せる役割を果たされたように思えてなりません。
私のこの投稿は3か月ぶりになります。4月から新しい仕事も始まり生活が一変してしまいました。60代 まだまだいろいろなことがあるでしょう。くじけそうになったらこの番組を思い出して与えられた役割を全うできるよう心掛けたいと思いました。
そういえば 我が家にも「父」の役割を果たす方がおられます。「父」の役割を楽しく果たせるよう
ささえましょう と「妻」らしく思いました。これが私の父の日のプレゼント!!