2015年12月28日月曜日
いろいろお世話になりました。ハイ こんにちわ!
今年も残り少なくなりました。「いろいろお世話になりました。ハイ こんにちわ」は2歳になる孫一の第1作ともいうべき童謡です。 部屋中にぬいぐるみの者どもを従えてしきりに挨拶遊びに興じる孫一。ハイのところを少々高めに発声すると自然な節回しが生まれます。思わず年の瀬の忙しさを忘れて孫一と一緒に口ずさんでしまいました。
ここ数か月で孫一は絶え間なく何か言葉を発信するようになりました。ときどき親や家族の声掛けに答える言葉もありますがそれだけでなく身体?の中から湧いてくるようなぴちぴちした言葉が飛び回る孫一の背中から聞こえてきます。幼児には耳で聴く本来の言葉の音楽を発する力があるのでしょう。成長するにしたがって言葉の地図ができいずれ整然とした言葉を話すようになってしまうようで「いろいろお世話になりました。ハイこんにちわ」なんてぬいぐるみに頭を下げて楽しむなんて時期はほんの少ししか許されていないのかもしれません。おばあちゃんとしてはこうした遊びをコレクションしたくなります。
ちょうどそんなとき周東美材氏「童謡の近代」(岩波現代全書)を読みました。北原白秋もまた「耳で聞く音の本来の音楽」を大切に考えていたことを知りました。童謡は幼少期に刷り込まれたから懐かしいというだけでないものがあるようです。「日本は幼児の言葉の世界を大切にする文化を育ててきている。」とその本の若い著者は言っています。童謡の世界は「カワイイ」につながる。「カワイイ」で繋がる人たちが国境を越えて世界中にいることを思うと童謡のように本来言葉の意味でなく「音」に「伝える」という力があることを思わずにいられません。確かに孫一と一緒に「いろいろお世話になりました。ハイ こんにちわ」と歌って遊んでいると「不思議の扉」の向こうとつながりそうな気がしてきます。扉の向こうには新しい物語が待っているはずです。
今年は日本の内外でいろいろありました。メディアの力もあって大きく世界が変わっていく流れを身近に感じます。マスコミやインターネットに煽られてしまわないよう「見ざる。聞きざる。言わざる。」の処世術も大切ですがまだまだ現役の還暦世代、「見るサル。聞くサル。言うサル。」を身につけ考えるサルになり明るく幸せな物語を紡ぐ年にしたいものです。
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