2019年3月19日火曜日
武相荘には椿がよく似合う
早春の鶴川街道沿いの武相荘に行きました。白洲次郎・白洲正子が晩年まで過ごした民家です。2001年の10月に開館し、2015年に庭に竹林の散策路とレストラン、カフェをお嬢さんの牧山桂子さんがリニューアルオープンされました。
竹林は、青々として伸び椿の花が風情を添えています。正子女史の本に埋もれんばかりの書斎の文机の前の窓からも椿が楽しめました。この書斎になった農家の一角の小さな小部屋がいいです。別世界のような気分に浸れます。
「能の物語」「日本のたくみ」「かくれ里」「近江山河抄」「遊鬼」「西行」
「花に思う春」「十一面観音巡礼」と私の本棚に並んでいます。詳細を覚えていないのが
残念だと展示をみながら思いました。最初に手にとったのは確か「両性具有の美」。
「かくれ里」を取材する韋駄天おまさ。そして晩年のインタビューと一貫して「日本は
美しいものをいっぱい持っている」というメッセージに貫かれた潔い生涯ではなかったでしょうか。
個人主義者の夫、随筆家として縦横無尽に取材に駆け回った妻のwin winな生活が
終戦を挟んでこの地で繰り広げられていたことを思うと不思議な気がします。
「武相荘」には「愛想」ばかりがいいわけじゃないぞというメッセージもあるのかも
しれません。
当時の食卓をにぎわしたランチメニューを楽しみながら「断捨離」では片づけられない「残されたもの」の重さを味わいました。
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