2023年3月8日水曜日

祈りの力

カトリック教会内部
 トルコ・シリア地震は、ウクライナ侵攻1年を迎えようとしたときに発生しました。被害者数は、5万 あの2011年の3月11日を思い出さずにはいられない出来事です。 ウクライナ侵攻は、ますます過激化しプーチン政権のなりふり構わない攻撃、手段を選ばない外交に世界中が被害を受けています。戦争の大義は、「覇権主義の存続」にほかなりません。民主国家でも覇権国家主導権争いとは無縁にただただ生きること、特に貧困や感染症が蔓延する小さなアフリカ、アジアでは、生き延びるための戦いがウクライナの人々と同じように日夜続いています。

 災害も戦争も病気も怪我も人が理不尽な状況を迎えたときに、何が生活やメンタルを支えてくれるでしょうか。最近考えることが多くなりました。思い出したのは、小さいときに覚えた「お祈り」です。 集中できなくなって落ち着きがなくなってきたときや言い知れない不安をおぼえたときこのお祈りは効果的です。きっとウクライナでもトルコ・シリアでも多くの人が日々祈りの中にいるのではないかと想像に難くありません。

デューラー 祈り 鉛筆模写
 戦争や災害が,祈れば解決するというほど単純ではありません。祈ってもかなわぬことは山ほどあります。しかし今世界では「祈らずにおれない」人、自然に祈りが口に出る人々が数えきれないほど家族のため、命のために祈っているはずです。それなのに北の為政者は、自分の欲望と威信のために十字を切りながら非道な命令を発し続けています。自分のためでは、なく人のために祈る。これが神様への近道なのに。自分の威信をまもるため、奪った領土を失わないように祈るのではなく自分の決断で亡くなってゆく人たちの命の責任が自分にあることを認める勇気をもてるよう祈ってください。北の熊殿!

 東関東大震災から 12年がたった日本。トルコ・シリアの被災地の復興のために役立つ知恵を蓄えてきました。ウクライナの復興にもきっと大いに役立つことでしょう。周囲を海に囲まれ国境という楔のない日本ですが、侵略・敗北の過去をもつ日本、年がら年中地震に揺さぶられている国土を持つ日本、アメリカの民主主義の傘の下でこれだけ復興に必要な忍耐と知恵を蓄えた国も少ないのではないかと思います。日本人の宗教観は、キリスト教社会にくらべればはるかに寛容で、神様もいっぱい。他国を援助するネットワークを広げ深めることは、少子高齢化でお先まっくらな日本の希望、生きる道になるかもしれません。

 他人の不幸の上に自分の不幸を築いてはならない。他人の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるものだ。 トルストイ

 トルストイの名言には、なじみの言葉が多いです。「逆境が人格をつくる」もそう。開国以後日本文化に深く根付いているロシア文化でもあるのです。

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