2019年12月26日木曜日

リアル・サンタ



 クリスマス おめでとう。と孫一からカードとダイオウショウ(大王松)の大きな松ぼっくりでできたツリーのプレゼントが届きました。私も今年は孫一に手編みの帽子を作って贈りました。ママがサンタからのプレゼントだといって渡してくれたのですが・・
孫一曰く 「おばあちゃんとおじいちゃんからのプレゼントだね。ほんとのサンタは
いつくるの?」 だまされません。孫一6歳にとってサンタは、親でもなくおじいちゃん・おばあちゃんでもなく、保育園の先生でもない、未知との遭遇なのでしょう。それをわくわくしながら待っています。それで腑に落ちました。送られてきた写真の帽子をかぶった孫一の顔がなんとも納得のいかないというふうだったわけが。
 世界中の子供たちが等しくサンタの訪問に恵まれますように。
 

2019年12月23日月曜日

地球★爆

 今年の災害は、昨年にも増して広範で大きなものになりました。押し流される家、濁流や土砂くずれの映像がいつまでも心に残ります。災害だけではありません。あおり運転の事件に代表されるような自己中心的な出来事が耳目を集めました。内外の指導者が、「何をめざしているのか?」選んだ国民の目が点になってしまうような出来事もひとつやふたつどころではありませんでした。
 
愛知県美術館の11月の「地球★爆」展は、まさに地球の未来に警鐘をならすような展覧会だったと思います。10人の画家による大共作展とあるようにそれぞれの作家の感性を結集したものでした。会場は、大作で埋め尽くされましたが、黒と白で構成されているということもあって疲れることなく最後まで見ることができました。
 キーワードは「戦争」「反戦」「原爆」「破壊」「宇宙」「彼岸」というところでしょうか。重いテーマでしたが洗練された画面は、戦争を知らない世代にも受け入れやすかったようです。作品の前で立ち尽くしている中学生・高校生の一群を見ることができました。
 私的には、山口啓介さんの原爆下の子どもの表情をアップにした象徴的な作品、
清水洋子さんの「枯野ー舟歌」「地球探し、ガリレオ計画」「大暗黒」坪井美穂さんの「イムラム・航海譚 島めぐり」「黒い雨」が印象に残りました。
 芸術家は予知能力を発揮することのできる人種だと思う事があります。 2010年秋に三島の大岡信ことば館で開催された宇佐美圭司展の「大洪水へ」という作品が思い出されました。翌春の3.11東日本大震災。
 




 地球★爆展は、10人の作家が今感じている「戦争の足音」なのでしょうか。『戦争を知らない世代が、戦争に敏感になること』が反戦につながることを感じさせてくれました。
 県美術館のコレクション展の50点近いオットー・ディックスの版画(1924)は、戦時中の生死にかかわる場面を刻んでいました。1986年のクリストの包まれた旧ドイツ帝国国会議事堂、ベルリンのためのプロジェクトの素描は、強い反戦の意志を感じるものでした。
企画展とコレクション展を両方見て回るのは、結構疲れるものですが「戦争」に引きずられて見て回ってしまいました。私も「戦争」「地球★爆」に危機感をもっているかもしれません。
 今年はいろいろ鑑賞する機会に恵まれましたがこれからに繋がり、共感できたMY BEST企画展のひとつでした。来年は、爆はバクでも、人の悪夢を食べる獏に活躍してもらいたいものです。 
 

2019年12月16日月曜日

翻訳が世界をつなぐ。


 年の瀬も迫ってきている今日この頃、年賀状を前に思案の一時です。今年もいろいろありました。今年を振り返ると元号が変わった5月からの出来事が多く思い出されます。日本だけでなく世界も同様に異常気象に翻弄され、株価はジェットコースターのように乱高下し世界経済の先行きは、見通しがもてません。要になるべき大国諸氏の「私」ファーストで我も我もの勢いになってしまいました。
  38年ぶりの来日となった教皇フランシスコの「日本のおもてなしや優しさは、格別であることは称賛されるべきものだが。世界を見渡して御覧なさい。日本の人たちには、もっと手を差し伸べる勇気をもってほしい」というメッセージが胸に残ります。
 訳:大野光子・Beverley Curran  & 栩木伸明
佐々木幹朗 詩集
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小春日和の大学の階段教室で聴講させていただいたアイルランド文学者・翻訳家大野光子先生の「翻訳がつなぐアートの世界ー英文学を学ぶ楽しさー」。大学1年生に向けたわかりやすい英文学入門のお話しでした。外国語を学ぶことは、相手の国の文化を学ぶことであり、翻訳を通して様々な出会いを得ることができる。翻訳とはそういう協働の仕事でもあることをご自身の翻訳の経験から アイルランドの詩人・日本の詩人・研究者から翻訳の詩に触発された美術家・音楽家との出会いをお話しされました。
 アイルランドが詩や文学をはぐくむ文化であることを知るとともに日本にも詩・文学を愛する文化のあることを思い出しアイルランドに親近感をもつことができました。
 最後に先生が学生さんたちに「身近で優しい絵本でもいいですよ。外国のお友達を見つけて一緒に翻訳に挑戦してごらんなさい」と語りかけられた事が印象的でした。「はじめの一歩」は、人生経験豊かなシニアの後押しがあって実現するように思います。
 毎朝ニュース「世界の窓」ばかりみている私には、世界はばらばら、崩壊寸前のように思えて暗くなるばかり。聴講して思ったことは、『他国の人の詩を翻訳する。日本の詩を紹介する。その国の人との協働による翻訳の仕事のように価値観や文化的背景の理解を深める仕事は、ばらばらの世界に調和をもたらす手がかりになるに違いない』ということです。アフガニスタンの中村哲先生の実践は大きな犠牲を強いましたが、中村先生もまた日々文化や価値観の違いを大切に生きられていたことと思います。ご冥福を祈ります。
 新しい年は、勇気を出して他国の人とのきっかけを作れる年になるよう小さな努力をしようと思います。まずは英語かな?オリンピックもあるし。日本人お得意のおもてなし外交に終わらず、文化や価値観を認め合うホントの外交をしたいものです。

 

12月の紅葉狩り 世田谷区 旧小坂家緑地

有形文化財 旧小坂家緑地


 
旧小坂家緑地の一角に終戦まじかの都心から横山大観が疎開していた。



バイバイ 私の60代

 この「暮らしを紡ぐ 異・職・柔・遊ぶ」のブログを書き始めて10年272のコンテンツになりました。10年一仕事というわけで店じまいをすることにします。これもけじめかなとおもいます。 バイバイ60代!私にとっての節目の季節に二人の師匠がなくなりました。9月には、カトリック教会の森一...