この作品には、束ねるという強い気持ちとボタンに象徴される合わせるという
気持ちが表現されているように思いました。ボタンは、針金でつながり下方に
垂れ下がってゆきます。作家は、今の国内外で起こっている諍いや駆け引き、
不信を前提にしたつながりのほつれにアーティストとして一矢報いたいという
お話しをしてくださいました。
創作する中、ボタンと格闘する日々をおくられた大坪さんの手作業から生まれた最初の作品ということです。ご友人のアイルランド文学者・翻訳家大野光子氏から「原初の顔」という深遠な題名を贈られた作品。大坪さんの作品には、いつも細やかな手作業の感触と、背景の鈍色と不思議な親和感を感じることができます。
大野氏のインスピレーションは、この作品にも。「マリア様のように見える」とさすが
アイルランド文学に造詣が深い氏なれば。カトリックの私には、そこに結びつける言葉は
ありませんでした。来日されたフランシスコ教皇は、「共感のある和解」のメッセージの
シンボルとして「結び目を解くマリア」を示されていることを思い出したしだいです。
世界を覆う疫病
閉ざされた生活の中で
人とのつながりが断たれてゆく
孤独な時間
先にある希望を求め
終息を願いつつ
祈る日々
個展は、2020.12/12~12/26 ATELIER・K(石川町) 作品写真は、大坪さんより掲載許可いただいたものです。
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