今年もあとわずか 冬の寒空を見ながら夏に行った知多半島の砂浜を思い出しました。夏の昼下がり 遠浅になった海岸で潮干狩りをする人たちを眺めながら漂着した大きな大木の根を眺めておりました。大きな大木は長い年月風雨と海水にさらされて白く滑らかな肌を見せていました。地の底から見るような気持ちで太い根を見るとダイナミックな螺旋を描きながら根は幹になり枝になり葉になってゆくだろうという錯覚にとらわれます。
細い根は太い根のどこからかはじまっているはずなのにいくらたどっても元の根にたどりつきません。まるで迷宮のように見る人の目を惑わします。根は幹を支えるように手を広げたように描かないとなにか不安定さを感じさせますが本当の根は目の前にあるようにのたうち絡み合って土や岩をぐっと抱え込んでいるのです。広がりながらも幹に栄養分を運ぶために求心力を発揮する。メカニックな構造物にはない命の姿を見るような体験でした。もう一度見たい姿ですが 満潮とともにまた海に流されて漂流を続けるのでしょう。
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