2014年5月23日金曜日

クジラは見ていた。

 
上野の国立科学博物館の特別展と企画展をみに上野にいってきました。
  上野公園内は深い緑に包まれて国立博物館前の噴水の白い水柱が映えます。         いいね!!連発
 国立博物館の右手に控える科学博物館の正面出入り口は立ち入り禁止 新しい入口から入ります。新旧合体の建物はいいのか悪いのか?中は迷路も迷路 どこが新しく古いのやら・・・
 記憶に残るシロナガスクジラがいました。これだけでも科学博物館は面白いですが・・


特別展は「医は仁術 」 解剖図や精巧な模型 医術の道具に目を奪われ仁術がぼけちゃった感じです。しかし解剖図が圧巻です。見ているものがご遺体であることに変わりないのに文化の背景が違うと線のなす印象は違って見えます。日本の解剖図はやけに生々しさが印象に残りました。
解剖にあったった杉田玄白らの心意気もさることながら 絵師の集中力と緊張感がそれ以上に伝わってきます。眼前に繰り広げられる状況に興奮する自分を抑えて筆をとる。レオナルド・ダビンチの醒めて静謐な解剖図の印象にもまさる解剖図の数々です。ダビンチとは違う暖かな血の匂いがしました。ダビンチが人間の機能的な形態に強い関心を示しているのに比べて内臓系の模写が多いように思いました。五臓六腑に強い関心があったのでしょうか。江戸時代の絵師になった気分で人間の体を観察する体験ができました。
 
 江戸時代という鎖国の状態は国民が生活や健康、長寿に目を向ける時間をつくったと説明にありました。本草綱目など薬草栽培や漢方・養生訓が庶民の生活に根ずきました。小石川養生所を中心に医術が一般の人に提供される場ができ人を労わり助け合う文化が育ったと解説がありました。「医は仁術」をテーマに江戸から現代までの医学の先端技術を紹介した展示です。展示から「仁術」を伝えるのは難しいと思いましたが「助けたい 救いたい 癒したい」という気持ちだけでは身体を襲う病気はどうにもならない理由が少し理解できたような気がします。踏みとどまって目の前の現実をしっかり見極めようとする目をもたなければと思います。今も昔もそういう人たちの努力があっての医学ですねえ。それが仁術のような気がします。
 

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