死の淵をみた男は福島原子力発電所 所長吉田昌郎氏のことです。「人の上にたつ」という言葉について考えさせる一冊を読みました。この本はそのとき現場で何が起こっていたかを少しでもあきらかにしたいというジャーナリスト門田隆将氏の思いの結晶ですが同時にあの津波に襲われた原子力発電所の中の出来事を教えてほしいという読者の期待に応えるものでもありました。副題は吉田昌郎と福島第一原子力発電所の500日です。
gigazineサイトから 2011年3月20日 エアフォートサービスによる空中写真 |
自然災害時では「人の上にたつ」困難さだけでなく「人の先頭にたつ」ということも同じくらいに困難なことではないかと思います。災害の現場ではだれもが先頭に立ちうることをあの震災が教えてくれています。 人前に出るのは苦手、旗振りはできない。向いていない、男の仕事だなど呑気なことは言ってられません。地震が多い東京では震災グッズをそろえたり地震に備えて住宅を補強したり、避難訓練に参加したり地域の防災訓練に参加したりと被災したときの準備をしようと思えばできる環境が整ってきています。がだれもが先頭に立てる経験をして備えることは災害訓練だけではないと思います。日々の生活の中でも他人に依存しない。自分で考えて行動する。少ない情報でも落ち着いて吟味して判断するというような経験をすることが一人でも多くの人が生き残る手立てになるのではないかと思いました。
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