2016年1月24日日曜日

さようなら エレファント・マン

神代植物園 私の行く手にある風景?
1月10日 デヴィッド・ボウイの訃報そして 今日は恩師の通夜私の青春時代を彩った人たちが去って行きました。デビットボウイは家族に囲まれ 派手な葬式は出すなと遺言していることを知りました。恩師は神のミムネのままにとろうそくが消えるように静かに息を引き取りました。家族や教え子に囲まれても死にゆく身は一人なんだな。と残されたものは思います。自分の先を歩く人との出会いは迷いながらも歩き続ける私の人生には欠かせない道標であり 一陣の風、小川の水のように思えます。もう会うことも声をきくこともありませんが行く手を明るく照らしてくれているように思うことができます。
 では 自分のあとに続くはずの若い人、幼い命はどうでしょう。卒業間近な学生を乗せたスキーバスの事故、戦地の子供たちの死・・ 親の気持ちを思うと胸が締め付けられる思いです。
 溌剌とした姿、はじけるような笑顔を残したまま老いることなくいつまでも彼らは親や周囲の記憶に深く刻まれます。先行く人たちが行く道を照らす光であれば彼らの存在はきっと背負ったリュックに入れられるもの 最後までともにあるはずです。
 外は真冬日 九州は空前の寒波に見舞われる日曜日 デビット・ボウイの甘く強い声が部屋中に流れ時間が過ぎてゆきます。

*「エレファント・マン」 デビット・ボウイは1979 NYのミュージカルで象皮症の主人公を演じ
ました。翌年日本ではデビット・リンチ監督による「エレファント・マン」ジョン・ハートが主演して公開されました。ヒューマニズムか猟奇趣味かの賛否両論を巻き起こしました。皮膚・骨格の細胞が異常に増殖してしまったジョゼフ・メリックというイギリス・ビクトリア時代に実在した人物の生涯を描いていています。偏見・憎悪・差別で社会から疎外され王立病院に保護され一生を終わった主人公の悲しみと救いを描いています。 「見た目の醜さに隠されたものを見逃すな」というメッセージと受け止め私の中ではヒューマニズムに軍配をあげましたが・・・美形を誇るデビット・ボウイがこの役を引き受けた心意気にタダモノではないぞ感を持ちました。たしかにタダモノではありませんでした。1970年代から1980年代 世はバブルの足音に浮足立ち即物・拝金のムードが周囲に漂っていました。
 医学の進歩によりメリックの病因解明のプロジェクトが2013年にあり現在遺伝子研究が進んでいるようです。当時は 神経腫のレックリングハウゼン病(象皮症)と言われていましたが遺伝子の異常が原因とされるプロメテウス症候群ではないかという説があります。
 

  

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