2019年2月24日日曜日

御苑の梅


上の池から茶室楽羽亭の庭の梅を見る


   新宿御苑は、徳川家内藤氏の領地の一部で、明治時代には、農事試験場でした。
  その後 1906年(明治39年)に皇室の所有となりました。私の前回のブログの
  「軒端の梅」に登場する徳富健次郎は、1907年世田谷の粕谷村に田舎暮らしを
  求めて都心から引っ越してゆきました。
   新宿御苑の梅は、時のセレブたちに愛されました。どちらにあっても
  梅は春を告げ、華やかでもあり、気品のある花木です。
   今年は例年になく グッドタイミングで梅が見れて満足です。一日でも
  早く春の気配を感じ取りたいのは、私だけではありません。御苑の庭は大いに
  にぎわって、私ものどかな日曜日の昼下がりを過ごしました。
                
大温室からみた新宿摩天楼

2019年2月22日金曜日

軒端の梅 蘆花恒春園

徳富蘆花の裏庭の白梅
 謡曲「東北」の梅の木は和泉式部が愛しました。この庭の梅の木を愛でたのは、徳富蘆花夫妻。環状八号線沿いの芦花公園は、
徳富蘆花の母屋
徳富蘆花が田舎暮らしをしていた場所です。時は明治40年、私のおじいちゃん、おばあちゃんが所帯を持った頃です。同じ頃蘆花は奥さんを連れて都心から田舎暮らしにあこがれて移り住んできました。

母屋と書斎をつなぐ白い廊下


梅花書屋から庭を見る
この頃の晴耕雨読の生活を蘆花は「みみずのたわごと」に書いています。
   慣れない田舎暮らし、田畑の仕事に手を焼き、周辺粕谷村20余世帯のと
   の付き合いを悩ましくも楽しんでいる蘆花夫妻の生活が当時の日本語で
   書かれていて面白い。蘆花は、「みみずのたわごと」を徳富健次郎という
   本名で出版しました。「明治時代一世を風靡した「不如帰」の作者は、
   こうして素の自分を取り戻したわけだ。」
    環状八号線の喧騒、田畑を守った20余世帯はその数百倍に、都心
   から歩いて帰るのに、半日もかかったのが芦花公園駅まで都心から急行で
   30分もかかりません。どんどん都心は広がり、東京から田舎が消えた。
   
  
    
   

2019年2月17日日曜日

鬼に負けるな!



 赤鬼:見るも、聞くもそら恐ろしい、
     それ、赤き息 ほっとつけば、七日七夜の病となる。
       青鬼:おれ、青き息、ほっとつけば、疫病「となる。よって節分ごとにま
      かりいで、人の命をねらい候。
 喜多見氷川神社の鬼は、赤鬼、白鬼、黒鬼と多彩でした。創建740年の由緒を持つ神社の節分会には、老若男女が境内に押しかけていました。多摩川近く、雑木林の中にある神社では、今も昔も鬼やらいの行事が行われてきました。
 子供たちに囲まれた鬼たちには、微笑ましいものがありましたが、昨今のメディアに
映る鬼たちは、我が子に刃を向け、難民の子らに壁を作って締め出し、命をものとも
しません。
 毎年繰り返される節分会では、神官の音頭でみんなで煎り前豆と桃の弓で鬼追いをします。鬼が山に帰ってゆくと大国主命と恵比寿様が舞を舞って小槌から金銀財宝を捲きます。鬼は、山からすぐ戻ってくるのでしょう。節分会は毎年繰り返されます。いくら追いやっても鬼はでてきます。天災・人災・病・貧困・詐欺・・・・・ときりがありません。
 今年も鬼は大暴れするのでしょうか。煎り豆と桃の弓で鬼を追い払う神事は、天平の昔から続いています。にも拘わらず鬼はなくならず、ますます鬼は多彩になってゆくように思えます。
 恵比寿さん!頑張って鬼に苦しめられている私たちに金銀財宝をまき散らしてほしい。





2019年2月3日日曜日

如月御膳

安納芋の山葵和え

鶯豆腐
豚香味焼き
   友達は大切にしたいものです。
こんな春らしい御膳で私たちをもてなしてくれました。
安納芋の山葵和えにはホタテの香り。鶯豆腐には、人参大根ショウガ梅肉の梅の花。豚肉に包まれているのはヨモギ麩。春の海からは鰤の刺身とデコポン、お茶の香りのお汁には、グリーンピース。稲荷ずしには空豆。甘味は、みつまめ。

春が待ち遠しくなるランチでした。 古希と還暦の狭間の私たちは、まだまだ想定外の展開を楽しむしかありません。それぞれの生活を肴に話が弾み、最後はおすすめ本の交換でお開きとなりました。
鰤デコポンおろし和え

 龍應台 父を見送る 白水社
 村上春樹 アンダーグラウンド 講談社
 安田登・内田樹 
    変調「日本の古典」講義 祥伝社




茶仕立て

空豆稲荷ずし

バイバイ 私の60代

 この「暮らしを紡ぐ 異・職・柔・遊ぶ」のブログを書き始めて10年272のコンテンツになりました。10年一仕事というわけで店じまいをすることにします。これもけじめかなとおもいます。 バイバイ60代!私にとっての節目の季節に二人の師匠がなくなりました。9月には、カトリック教会の森一...