2020年12月18日金曜日

COVID-19 vs 連句会

 

 


市中感染拡大の中、神奈川近代文学館で開かれた連句会なるものに行きました。2回目

です。参加制限もあって参加者は、70名程度落ち着いた雰囲気の会場に、パラパラと若やい

だ声もあり参加者の年齢平均は、推定70くらいかな。連句会の巻名は、「コロナ退散の

巻」発句(五七五) 脇(七七)に続き「捌き」といわれる司会者(俳人 長谷川櫂氏)と歌

人(小島ゆかり氏)と作家(館長 辻原登氏)で6句をよみます。

 その後参加者の発句が選ばれ、最後の折端と呼ばれる句までの12句を参加者が読みます。

その都度作句に2分。集められ句を「捌き」が6句えらび、歌人と作家または、多数決で

次の句が選ばれるという流れで3時間。前の句からの連想ゲームと言葉遊びのスリル

があって面白い時間になりました。選ばれる句に「なるほど・・」と感嘆し、

自分の作った句に嘆息の繰り返しが続きました。

 一句選ばれました。電車内のスマホを取り上げた前句「七人中五人がさわる例のもの」

につけて「恋の句七、七で」と「捌き」が指南。私の句「三、四がなくて二人の世界」。

「捌き」いわく『これは、ボツ』ならとりあげるなよ!! きっと数があってイメージ

を誘わない句だからでしょう。選ばれたのは「君の名前の金ペンダント」さすがです。

 「コロナ退散の巻」の発句は、「捌き」の「南無金剛病魔退散白団扇」

 作家・歌人がつないで参加者には、辻原氏の6句「岸から岸へ

疫病退散を願って建立された東大寺大仏
枚方の菊」が示されました。

それを受けて選ばれた参加者の句

「ごみ掃除おきばりやすと烏なき」、2句、3句が続き

「君の名前の金ペンダント」で青春時代へ展開し「枯葉唄うイブ

モンタンになりきって」でさらに展開、映画をシネマと置き換え

た句のあと「最後は春で」との捌き手の舵取りで「金閣寺にも春

の雪」→「逝きし人心に描く花見酒」そしてコロナ禍で花見客に

蹂躙されず、満開の桜を満喫された桜の名所近くに住まわれてい

る方の「女王のごとく春は、去り行く」でコロナ退散の巻 一件

落着。


 夏に始まり、秋・冬そして春と1年を味い、コロナ退散の風景を見ることが

できました。連句会は2回目ですがいつもながら「捌き」の手腕に舌を巻きます。

松尾芭蕉という人は、こんな仕事をしていたのかなあ。

 それにつけても昨今の参加者無視自論展開、事実無視推論重視のニュースキャスター

にぜひご参加いただきたいリベラルアーツのイベントでした。


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