2020年6月20日土曜日

COVID-19の置き土産 BLACK lives matter


 新型コロナ感染の勢いが止まらぬアメリカで起きた事件は、あっという間に世界に波紋をなげかけています。日本のメディアも今までになく時間を割いてとりあげました。アフリカン・アメリカンのジョージ・フロイド氏の警察官による殺害事件です。そしてまた昨日アトランタで同じような事件が起こりました。「酔っ払い運転者がいるという通報」で出動した警官に抵抗したという理由で狙撃されて死亡したのです。働き盛りのアフリカン・アメリカンの男性です。通報した人は、死亡するということを想定したのでしょうか。なぜ見かけただけで通報に及んだのでしょうか。

 新型コロナ・ウィルスの世界的な流行は、人々から日常を奪いました。当たり前と思っていた生活が制限され、「当たり前」が何かをみんなが考えました。突然の重症化は、身近な人を簡単に奪ってゆきます。世界中の多くの人が人の痛みを共有しています。特に急激に感染者数が増加してしまった欧米は、死亡者もまた多く、今も終息が見えません。そんな中で起こった殺害事件は、これまでの警察ーアフリカン・アメリカンの事件の集積の頂点になりました。事件が起きてからのニュースを見ているとアフリカン・アメリカンの人たちの痛みを白人社会が感じたように見えます。白人社会だけでなく差別を感じた人は、自分の問題として「人権」を守らなければと思ったはずです。「BLACK lives matter」黒人の命は大切というプラカードを掲げた人々が人種を超えて世界中の都市で行進しています。

 私は婿がアトランタ出身のアフリカン・アメリカンのこともあり関心をもって今回の事件のなりゆきを見守っています。婿と知り合ってから自分が持っていたU.S.Aの民主主義や自由・繁栄のイメージに?????な私です。が大阪なおみ選手がいちはやく「これは人権の問題だ」と言い放ったように「人権」という言葉が自分は気がつかなかったなあと反省しました。私は、「人権」を考えなくてもよい社会にいるということでしょうか。「差別」とは縁がない生活をしていることでしょうか。デモに参加している人達の動画を見ながら考えています。
 私の人権に対する甘さはNHKも同じです。子ども向けの教育番組のアニメにステレオタイプの黒人を登場させたのです。視聴者からの批判の声に責任者が謝罪する姿に自分のことを棚にあげてがっかりしました。「NHKおまえもか」
 アフリカン・アメリカンへの差別の上の白人社会の繁栄、それはアメリカだけの問題でしょうか。日本の社会でも誰かを差別することで利権を手に入れている人たちがいるのではないでしょうか。
 新型コロナ・ウィルスのパンデミックでグローバルに人の痛みへの感受性が高まった今、その感受性で周りを見渡してみようと思う今日このごろです。アフターコロナでは、コロンブス的展開が待っているかもしれません。人類は、大きな犠牲を払っていますがその代償の大きな贈り物を受けとっていると思います。思いたい!!
 

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