2015年2月24日火曜日

さらば 八十助 また来て四角

坂東三津五郎さんのご冥福をお祈りします。
 NHK鞍馬天狗(1969) 私も花の中学生!坂東三津五郎さんは八十助として初のTV出、演高橋英樹演じる鞍馬天狗の小さな友達?として越後獅子の杉作少年役でした。

 昨年に引き続き歌舞伎界を担う私と同世代の役者さんがまた一人三途の川を渡っていきました。団十郎・勘三郎・三津五郎がそろえば・・・舞踊だったら三社祭 世話物だったら三人吉三 古典だったら熊谷陣屋あたりをみてみたいですね。 ともかくあちらはさらに賑やかになったことでしょう。何か天の意図でもあるのでしょうか。晩年の芝居道楽を楽しみにしている私としては寂しいかぎりです。道楽できるようになったころには同じ年頃の役者さんがいなくなってしまうのではと思います。年齢が近いと自分たちの代表選手のような気がして知らず知らず贔屓になってしまっています。歌舞伎の役者さんはその姿・形・声が鍛えられてご自分の持ち味がはっきりしてくるので一回でも見る機会があると強く印象に残るものです。私も八十助さん・三津五郎さんの折り目正しいたたずまいが目にさわやかに残っています。普通にあって楽しくお話ししたくなる人柄が感じられる役者さんの一人です。芸術家もいろいろですが 普通がいい。普通って何?といわれると説明に困りますがここでは「広く一般に通じる」という広辞苑の意味にしておきましょう。好みや価値観が多様になればなるほどなんでもありなので「一般」が示すものも一言で説明するのはむずかしくなります。むかしは一億総中流なんて言葉もありましたけど 今は違います。
 この年齢になると「一般に通じさせる」難しさが痛いほどわかるようになってしまうものですね。三津五郎さん59歳 芸道道半ば精進・精進と言いながらきっと三途の川を渡っていかれたように思います。子はその姿を思いだして成長するしかありません。嘆いている暇はないはず。さて親は子の背中で老いてゆくのも人生、子に背中を見せて消えるのも人生 どちらも春の景色でござんす。三津五郎さん またあちらで楽しませてくださいね。

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