2022年11月21日月曜日

おばあちゃん 大阪をゆく 天神橋繁昌亭・枝さんの会

 大坂に来たら上方落語を聞いて帰らないわけにもいくまいと、天神橋に出かけました。雨の御堂筋ならぬ

天神橋!




女の好むものに「芝居・浄瑠璃・芋蛸南瓜」と言ったのは、井原西鶴でした。今日の
落語の枕にもでてきました。「いもたこなんきん」は、2006年の田辺聖子の自伝を
ベースにした朝ドラのタイトルにもなりました。あのドラマの商店街のモデルはこの
あたりの天満北商店街とか。
 上方落語は、見台をバチバチたたいて語るものと枝雀の姿が思い出されましたが
今回は見台がなく・・・。枝三郎師匠の説明では、近頃マイクの感度がよくなって
バチバチは、必要なくなったということのようです。落語初心者にも興味がもてる
ような落語の筋の背景を面白おかしくネタにしながら話してくれました。この辺り
さすがです。 背景になる時代、生活を知らないと何が面白いかわからない落語、
お蔭で最後まで楽しめました。 工夫、苦労あってこその落語です。コロナ禍で、
空席にお客の写真をかけるという工夫をして空席分を売って凌いだという話も
大阪らしいなあ。ちゃんと落ちもついての枕になってました。
 工夫といえば枝三郎師匠、二人の若手を盛り立てるのにもウルトラCが。
たたいて見せ、やって見せ。ここかしこで「ちゃんとみてろよ」サインを楽屋に送り。
お客を味方につけての若手育成、お見事でした。

      犬の目      三太郎
      6尺棒        枝三郎 
      おばけ白洲      枝三郎
      お忘れ物承り所
         (三枝作) 枝之進
      いたりきたり                  枝三郎
      出囃子                 糸京子




 追伸:枝三郎師匠の 「いたりきたり」は、新作のようです。
  「いったりきたり」「でたりはいったり」「のらりくらり」「・・・・・・・」
と反対の言葉を並べて名前をつけ、ものごと視点をかえれば同じことだよ
 という落語 落ちは「願ったり、かなわなかったり」 気持ちはわかる!
 精進してください。きっといい落語になると思います。
 私のような「大阪に来たから上方落語いってみよ」から「米朝知ってる、枝雀も
聞いてた。三枝一門だからきいてやろう」まで聞き手も多様な朝の会。きっと若手
にはよい道場なのでしょう。それも含めて楽しかったです。
特に朝いちばん「犬の目」というシュールな落語を枕なしで、いきなり始めたお兄
ちゃんの不思議な噺が、醸す目が点の客席。2番手、枝三郎師匠が上手に軌道修正
したところシニアのあるべき姿をみたようで勉強になりました。枝雀、春団治、
米朝、三枝のもの真似をさりげなくこなす師匠もすごいが、シーンとする客席を
相手に最後までやりきった若手もまた別の意味ですごいなと思いました。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

バイバイ 私の60代

 この「暮らしを紡ぐ 異・職・柔・遊ぶ」のブログを書き始めて10年272のコンテンツになりました。10年一仕事というわけで店じまいをすることにします。これもけじめかなとおもいます。 バイバイ60代!私にとっての節目の季節に二人の師匠がなくなりました。9月には、カトリック教会の森一...