2014年3月22日土曜日

港の見える丘公園の拾い物


港の見える丘公園から港をみる

 春風に誘われて港の見える丘公園まで出かけました。東急線終点の元町・中華街の駅6番出口をでてすぐ港の見える丘公園の入り口にはいることができます。一山上るともう港がみえます。この山の名前はアメリカ山、フランス山といってその昔領事館が軒を並べていたところでもあり周辺には当時の外国人高官の居宅が多く残っています。
 いまでこそおしゃれでハイカラな町ですがその昔はハイカラというよりも日本であって日本ではないような町だったでしょう。
 ここに住んだ外国人は丘の上から母国を思いさみしい思いを募らせていたのではないかと勝手に思います。ときどき聞こえる船からのぼーという音が明るい風景をロマンチックなものにしてしまいます。
YOKOHAMAは白壁と青空がよく似合う
霧笛橋
この公園の奥に県立神奈川近代文学館があります。黒岩重吾生誕90周年を記念した企画展が開催されていました。オール読物の黒岩重吾、怪しい作家と勝手に思い込んでいた私にはこの企画展は思い込みを払拭してくれました。さっそく全身麻痺になられたころの作品「どほらや人生」や代表作「背徳のメス」 額田王をテーマにした「茜に燃ゆ」や遺作「闇の左大臣 石上朝臣麻呂」を読んでみようかと思っています。これもご縁です。
 もうひとつご縁がありました。 ビデオライブラリーの「澁澤瀧彦を語る高橋睦郎氏」です。「時間を生きるのは辛いことです。おもてなしは辛いことを忘れさせるもの」という表現でオープンマインドでサービス精神旺盛な澁澤瀧彦の芸術活動を評されました。あっさり「時間を生きることは辛いことだ」と言われた高橋氏の言葉は、日頃「生きること=時間=楽しくなければ」と思い込んでいる私には目から鱗のお言葉でした。言葉でよく言い表せないのが残念ですが 「おもてなしこそ 辛い時間を忘れさせる。辛い時間を忘れさせるようなおもてなし」「生きることが辛いからこそ創作活動の時間つぶしに命をかける」という意味に私は受けとめ、勝手に得心しました。
 私は勝手な思い込みの多い人間です。ご縁を感じるとき勝手な思い込みに気づかされます。
還暦すぎると思い込みの多さに自分でうんざりしますが またそれだけご縁も多いものだと思い
おもてなしを受ける楽しみを味わおうと思います。

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