江戸の風を送りたい。という若手落語家二人の勉強会ツアー最終日を名古屋大須演芸場で楽しみました。送られてきた江戸の風は、子供の風景と正直者の幸せ。子供の風景は町中を駆け回るギャングエイジの子供たちです。見なくなって久しい風景のひとつです。正直者の幸せでは、士農工商の階級社会だった江戸で、廃品回収業を営む正直者がひょんなことから長屋住まいの武家の娘と侍の中を取り持つことになる妙。これも正直って何?の昨今 この話のように階級を超えて仲を取り持たれるなど平成娘にはなかなか考えられない出会い方です。
小辰さんも正太郎さんも枕の話がとても今。若い二人の弥次喜多道中・四苦八苦ぶりから始まり、観客はいつの間にか江戸市中の長屋や風呂屋の前あたりにいることになりました。羽織をすっと後ろに引くのが合図です。
私はこの瞬間をいつも面白く感じます。古典の落語と枕の話、江戸と平成をどうやってつなぐか落語家の苦労のしどころかと思って聴いてます。うまかった。
小辰さんは江戸の子供も平成の子供も大人からみれば五月蠅いものだ。という感覚
正太郎さんは江戸も平成の時代も正直は幸せな出会いを導くというまっとうな感覚でつないでくれました。
さすれば古典も生きるというもの。二人のこれからの活躍に期待してます。
演目
湯屋番 春風亭正太郎
転宅 入船亭小辰
休憩
鋳掛屋 入船亭小辰
井戸の茶碗 春風亭正太郎
~春に舟~ 春は春風亭、舟は入船亭から
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